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大人の発達障害
「ミスが多い」「期限が守れない」「忘れ物が多い」「空気が読めない」などなど。
生活面や仕事面で支障をきたしてしまう様々な問題は、本人の努力不足や親の育て方のせいでもなく、脳の発達特性によるものと考えられます。
しかし、発達障害とはいえ、知的発達の遅れがみられないケースも多い為、なかなか障害とは気づかれにくいのが特徴です。
自分なりに努力しているにも関わらず、改善がみられず自分自身を責めてしまったり、わざとやっている、怠けていると周囲から非難され、場合によっては「うつ病」などの二次障害に発展してしまうこともあります。
学習障害の分類

学習障害
ASD(自閉スペクトラム症)とは
スペクトラム(spectrum)の意味
意見・現象・症状などが、あいまいな境界をもちながら連続していること。
引用: 小学館デジタル大辞泉
年齢や環境などによって、どの特性が強く出てくるかは個人差があり、症状が併発していることも多いので、明確な区分ができないようです。
その為、「アスペルガー症候群」「自閉症」「広汎性発達障害」などの疾患が、現在では「自閉スペクトラム症」という診断名に統一され、ひとつの概念として捉えられるようになりました。
コミュニケーション・対人関係
- 相手の感情を読み取ることが苦手
- 架空の事柄をイメージすることが難しい
- 会話のやり取りが苦手
- 人に対する興味が薄い
こだわりが強い
- 物を並べたり、叩くなどの単調な行動を繰り返す
- 同じ習慣にこだわりが強く、変化に対応できない
- 興味の範囲が狭く、特定のものにこだわる
- におい、会話や物音、光の眩しさなど、特定の感覚が敏感、または鈍感
ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは
自分の注意や行動をコントロールする脳の中の神経伝達物質(ノルアドレナリン・ドパミンなど)の働きが不足していることによって、不注意や多動性が現れると考えられています。
多動性・衝動性優位型
- 仕事中や授業中に落ち着かず、貧乏ゆすりをしたり、机を指で叩くなどのクセがある
- 会話の中で、ついつい自分のことばかり話してしまう
- 何か作業をしていても、別のことに気を取られてしまう
- 思ったことをすぐ言動や行動に移す
- 言いたいことを我慢してイライラする
- 些細なことでも叱責し、相手を傷つけるような発言をしてしまう
不注意優勢型
- 仕事や勉強で、ケアレスミスが多い
- 物をよく忘れる、なくす
- お金の管理、時間の管理が苦手(よく遅刻する)
- 部屋が片付けられない
- 外出の準備が間に合わない
- 人の話を最後まで集中して聞くことが難しい
混合型
多動性・衝動性・不注意が同じくらいに目立った症状として現れる。
ADHDの薬物治療
神経伝達物質の不足を改善する「ストラテラ」「コンサータ」という薬の服用でADHDの症状を抑えることが可能です。
もし必要があれば、医師に相談してみましょう。
ASD/ADHDの具体的な対策
SST(ソーシャル・スキルド・トレーニング)
SSTとは、ゲーム、ディスカッション、ディベートなどを通して、社会性や対人関係を訓練するプログラムです。
実施場所については、お住まいの市町村で調べてみるといいでしょう。
- 医療機関 (精神科のデイケアなど)精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士などのスッタフが心のリハビリを行う。
- 福祉施設 (地域活動支援センターなど)主に創作活動などを通して社会との交流促進を図る。
- 就職支援 (就労移行支援事業所など)障がい者手帳がない人でも、就労についての相談を受けることができる。
限局性学習症
知能に問題がないにも関わらず、ある特定の分野の学習機能がうまくできない状態のことを「限局性学習障害」と言います。
「読む」
- 文章を読むのが遅くて不正確
- 読んでいる文章の意味を理解するのが困難
- 正しい発音が難しい
ハリウッドスターのトム・クルーズ、映画監督のスティーブン・スピルバーグなどの著名人も失読症なのだそうです。
「読むこと」が苦手な人はボイスメモを活用するのもいいでしょう。
「書く」
- 句読点を間違える
- 文字の綴りを間違える
- 「読む」「書く」両方とも苦手
「書くこと」が苦手な人はパソコンで文章を入力する、カメラで撮影して記録するという対処法があります。
「計算」
- 数字を読む、覚えるのが難しい
- 足し算や引き算が遅くて不正確
- 空間的、数学的推理が困難
黒柳徹子さんも計算障害をお持ちなのだそうです!!
私も計算障害なので、ちょっと嬉しいです。
「計算」が苦手な人は電卓やエクセルなどのツールを使うなどの対処法があります。